オーガニック食品はなぜ高い?有機食品が高級品とされる理由とは。

 

こんにちは!オーガニックコーディネーターオリカです。

オーガニック(有機)の食品を購入したことがありますか?

実は、オーガニック食品はそうでない食品と比べ、概ね1.3倍ほど価格が高いと言われています。

その振れ幅は食品の種類によってかなり異なりますが、生鮮食品では高いもので1.7倍ほどのものもあるそうです。

では、オーガニック食材の価格がそうでない食品に比べて、なぜこれほど高く設定されているのか、今回はその理由について考察してみました。

生産コストがかかる

有機栽培は「ロス」が多い

有機栽培の大きな特徴の1つとして、「農薬を使用しない」という点が挙げられます。(ちなみに「有機=無農薬」と思われている方はとても多いですが、この認識は厳密に言うと誤解ですが、ここでは詳しく触れません。)

農薬を使用することで、虫を駆除したり、雑草が生えないようにしたりする事が大変容易になりますが、有機栽培ではそれが出来ないので、農産物が虫食いの被害に遭いやすくなったり、雑草に栽培を邪魔されたりします。

つまり、勿体無い事ではありますが、運悪くあまりにも酷い虫食いに遭ってしまった農産物や、雑草の被害者になる作物は、食べられなかったり、売り物にならなかったりしてしまいます。

この生産過程で生まれた「ロス」があるために、若干値段が高く設定されているのです。

ちなみに、オーガニック栽培では、慣行栽培と比べてその収穫量が8割程度になる、とも言われています。

「人手」が要る

少しづつ有機栽培を効率的に進められる農機具なども開発されてはいますが、それでも有機栽培は慣行栽培に比べて「手間」がかかるのは想像に難くありません。

ここで農薬という”便利な”モノが使えるならば一挙に解決できるような問題も、有機栽培ではそれが叶わないので、人の手で行わなければならない作業が慣行栽培よりも必然的に多くなりがちです。

それ故に、有機栽培では大規模栽培がしにくく、大量生産が難しいという現状が生まれてくるのです。

肥料作りや土作りに「手間」と「時間」がかかる

有機栽培では、農薬だけではなく、原則「化学肥料」も使うことができません有機栽培で使える肥料は、基本、圃場で生産された有機農産物の「残渣(ざんさ)のみ」です。有機規格は各国の差はありますが、かなり厳しく、肥料に使う材料すら有機栽培のものでなければならないのです。

たまに、有機栽培の肥料には家畜の糞尿が使われていると思われている方もいらっしゃいますが、これは厳密に言うと「誤解」になります。確かに、家畜の糞尿は肥料として有効な栄養素を含んでいるかもしれませんが、それなりにリスクもあるのです。

さらに、有機栽培をしようと思えば、今まで慣行栽培で使っていた農薬や化学肥料の含まれる土は一切使えなくなるので、土作りをし始めて、2~3年(作物によって期間が異なる)は、有機栽培用の健康な土として使えるようになるまで待たなければなりません

これだけ、肥料作りと土作りには「手間」と「時間」がかかっているのです。

オーガニック認証取得のコスト

日本で一番大きな有機認証といえば、「有機JAS」ですが、この認証を得るにはそれなりのコストを伴います。

有機JASには専門機関の検査員がおり、実地調査なども行うため、事務的な手数料や検査員の旅費なども全て生産者が負担します。認定機関にもよりますが、初回認定時に十数万~数十万の出費があります。

さらに、更新費として年間、数万~十数万、国によっては40万もするところがあるそうです。

絶対的な生産量が少ない

冒頭に有機栽培では「ロス」が多いとお伝えしましたが、それ以外にも、複数の要因で絶対量が少ない、という現状があります。

有機栽培では、先程ご紹介したように「手間=人手」がかかるので、よほど人員がない限り、小規模~中規模で経営しているところが大半です。故に、収穫される農作物の絶対量も少なくなってしまいます。

これに加え、先程もお伝えしたように、農薬を使わないと虫食いや雑草被害が発生し、ロスも生じます。

さらに日本の場合、全国の中での有機圃場の割合はなんと全体の0.1%と言われています。

これらのことを考えると、農作物1つあたりの単価が高くなるのも想像できますね。

またこれに付随して、単純に需要と供給の問題として捉えている専門家もいます。現在、有機作物の供給が低く、需要の方が高いので、均衡せずに必然的に価格が高くなっている、ということです。

補助金・助成金が少ない

残念ながら、日本は慣行栽培に比べて有機栽培に対する補助金や助成金が比較的に少ないと言われています。

個々の地方自治体のレベルで見たときにはそれなりかもしれませんが、日本全体で見た時にはやはり他国のオーガニック先進国に比べて有機農家への経済的援助が格段に薄いのかもしれません。

はたして、オーガニックの食品は本当に”高い”のか?

さて、ここまで「有機食材が高い理由」についてご紹介してきましたが、ここからが本当に一番お伝えしたいことになります。

それは、「オーガニックの食品は本当に”高い”のか、もう一度ちゃんと考えてみたい」ということです。

つまりこれを言い換えると「慣行栽培で作られた農作物やそれを使った加工食品などが”安すぎる”のではないか」。

生産量が圧倒的に多い慣行栽培の商品の価格の方が、店頭に並んでいる絶対量が多いので「アタリマエ」になってしまっていますが、この価格を実現するのに他の部分に「しわ寄せ」が起きているのではないか、という事です。

個人的にオーガニックの良い点は、おおまかに言うと「動物・自然・人間に配慮した生産方法」である点だと思っています。

従来の生産方法では、人間や動物、地球に負荷がかかりすぎた部分が多くありました。

世界のどこかで不当に過酷な労働を低賃金でさせられている人々がいないか。

世界のどこかで動物が苦しんでいないか。

地球が泣いていないか。

オーガニックの食品を買う事は、イコール「私はこれらの事に配慮している企業を応援します」、という意思表示であると思っています。そう考えた時に、私はオーガニックの食品(やコスメ、衣類もそうですが)を買うときに「高すぎる!」とはあまり思いません。

むしろ、従来生産されてきた商品の方が「安すぎた」のでは?そんなふうに感じる時もあります。

この問題は「食品ロス」に関する問題とも関わってきます。その点に関しては、また別の記事を書きますので、よろしければご覧ください。

参考:
「Organic food: it’s not just for yuppies any more」, <https://www.theguardian.com/commentisfree/2014/apr/14/organic-food-walmart-new-line-not-just-yuppies-anymore> 2019年1月6日アクセス.
「Organic Food Is for the Wealthy, Not the Poor」, <https://www.nytimes.com/roomfordebate/2012/09/10/is-organic-food-worth-the-expense/organic-food-is-for-the-wealthy-not-the-poor> 2019年1月6日アクセス.
「The Ecological Case Against Organic Farming」, <https://www.nytimes.com/roomfordebate/2012/09/10/is-organic-food-worth-the-expense/the-ecological-case-against-organic-farming> 2019年1月6日アクセス.


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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