その”おすすめ”オーガニックコットン製品は本当に本物ですか?その「嘘と真実」とは

こんにちは!オリカです。

私達の身の回りには、色々なコットン(綿花)製品がたくさんあります。もはや、コットン無くしては私達の生活に大きな支障が出てしまうくらい、私達はコットンを頼りにしていると言っても過言ではありません。

ところが、なんと世界中で使われている農薬の約40%が「綿花栽培」に使われているという報告があるのをご存知でしょうか。

綿花栽培の農薬使用は、様々な問題を抱えています。

農薬の危険性についてあまり知らされないまま安い賃金で労働搾取されている世界中の綿花農家の人々。農薬の影響による土壌、自然環境の汚染。消費者である私達の肌へのダメージ。

そのような状況の中、世界中で注目を集めているのが皆さんご存知の「オーガニックコットン」です。

しかし、そのオーガニックコットンを使った製品には、あまり多くの人が知らないちょっとした「落とし穴」があるのです。

裏付け無しに表示できる「オーガニックコットン」製品

実はオーガニックコットンの製品は、しっかりした証明が無くても、「オーガニックコットン〇〇」等と謳ってしまえるという現状があります。

有機JAS規格(日本のオーガニック規格)についてご存知の方からすれば「綿花は農産物だから有機JASの対象になっているはずなのに、どうして?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに綿花は農産物ですが、有機JASの対象は「飲食料品に限る」とされているので、綿花は有機JASの対象外なのです。

さらに、加工されてTシャツや下着、タオルなどに製品化されると、経済産業省の管轄となり、同省ではオーガニックコットン製品の基準や罰則等を設けていません。

したがって、極端な例を挙げてしまうと、オーガニックコットンがたった3%しか使用されていなくても、「オーガニックコットン」と表示する事も出来てしまうのです。

残念ながら、国が有機JASのようにオーガニックコットン製品のきちんとした規格や罰則規定などを定めない限り、この”穴”を完全に塞ぐのは難しいでしょう。

本物のオーガニックコットン製品を探す

“穴”が存在するのは事実ですが、その”穴”を少しでも狭めよう、と立ち上がった日本国内の民間団体や組織があります。

日本国内では、「NPO 特定非営利活動法人 日本オーガニックコットン流通機構(NOC)」と「NPO法人 日本オーガニックコットン協会(JOCA)」が、基準を設け、オーガニックコットン製品の有機認証を行っています。

日本オーガニックコットン流通機構(NOC)の認定基準

以下、NOCのオーガニックコットンの基本的な認定基準の概要です。

  • オーガニックコットンと通常のコットンは混ぜない。(100%オーガニックコットン原綿のみ)
  • 機能上必要な場合を除いて、化学合成繊維を使用しない。
  • 漂白剤、柔軟剤、防縮剤、防しわ・形態安定剤などの美観や必要以上の機能性を持たせる加工剤や補助剤は原則使用しない。
  • 縫糸も可能な限りオーガニックコットンを使う。
  • 中綿はオーガニックコットンのみ使用可。
  • オーガニックコットン以外の素材を使用する時は、その内容が分かるようにした上で製品全体の10%まで使用可。他の天然繊維(シルクや麻など)を使用する場合はオーガニック認証されたもののみ使用可。ボタン、ファスナーなどの付属材料も、できる限り天然素材を使用する。
  • プリントのある製品は安全性の高いインクで使用可。(全体面積の10%まで。ただし天然素材の安全性が確認されたインクは面積の制限はなし)
  • 洗浄には化学合成された洗剤は使用しない。

など

また、自然環境の保護(人体や環境に有害な化学物質の使用や、有害な化学処理、廃水処理はしてはならない)や、労働搾取の禁止(フェアトレード)、遺伝子操作された原料の禁止、などの基準も設けられています。

詳細は、こちらの日本オーガニックコットン流通機構のHPよりご覧ください。

参照元:NPO 特定非営利活動法人 日本オーガニックコットン流通機構.“NOCコットンの規準”. https://noc-cotton.org/certification-standard, (参照 2020-6-14)

NPO法人 日本オーガニックコットン協会(JOCA)の認定基準

JOCAが主にオーガニックコットンの認証基準としている機関の中で代表的なのが、「Global Organic Textile Standard(GOTS)認証」であり、第三者機関であるGOTSに有機認定されたオーガニックコットン製品に対して、JOCAの会員タグが付与されます。(他、「Textile Exchange」と「JONA」などがJOCAの第三者認証機関として推薦されていますが、その2機関の基準については今回は省略します。)

GOTSそのものは以下の4つの機関からなる国際的なグループ機関です。

  • 日本オーガニックコットン協会(JOCA)【日本】
  • Soil Association(英国土壌協会、SA)【イギリス】
  • International Association Natural Textile Industry(IVN)【ドイツ】
  • Organic Trade Association(OTA)【アメリカ】

これらの機関一つひとつの説明は省略させていただきますが、GOTSの基本的な認定基準の概要は以下のようになっています。

繊維素材段階での基準

  • IFOAM(代表的な国際有機基準。各国の有機規格は、IFOAMに基づいて作られている場合が多い)に準じて作られた各国の有機農産物の基準を満たした生産方法でなければならない。(2~3年の間の転換期間中でも条件を満たせば適用)
  • 95%以上がオーガニック認証された繊維(または転換期間中)でなければならない。(または70%以上のオーガニック認証繊維(転換期間中可)。95%以上と70%以上でラベル分けされる。95%以上には「オーガニック」と表記可。70%以上には「○%オーガニック」と表記可)

製品段階での基準

  • オーガニック認証された繊維と、そうでない繊維(慣行栽培された繊維)は、全ての製造段階で明確に区別されなければならない。
  • 全ての加工剤(漂白剤や柔軟剤など)や補助剤は安全性が確認されていなければならない。(塩素系漂白剤は使用禁止、など)
  • 発ガン性の可能性があるアゾ系染料の使用は禁止。
  • プリントのある製品は安全性の確認されたインクのみ使用可。
  • 付属材料(ボタン、ファスナーなど)の素材の制限(ポリ塩化ビニルの禁止、ニッケルやクロム合金の使用は可、など)
  • 製造過程での素材の無駄や廃棄の削減に努める。
  • ウェットライン(洗浄、漂白、染色など、液体を使う加工段階)の際に、使用した加工剤や汚水の廃水処理について全て開示できるようにしておかなければならない。
  • 製品のパッケージング素材の制限(ポリ塩化ビニルの禁止、リサイクル可能な素材を使用する、など)

など

その他、不当労働の禁止(安全で衛生的な労働環境の提供、子どもの労働の禁止、フェアな賃金、差別の禁止、安定した雇用、など)や、流通に関する決まりなど、かなり細かく明文化されています。

JOCAについての詳細は、こちらの日本オーガニックコットン協会のHPよりご覧ください。

参照元:GLOBAL ORGANIC TEXTILE STANDARD ECOLOGY & SOCIAL RESPONSIBILITY.“GENERAL DESCRIPTION”. https://noc-cotton.org/certification-standard, (参照 2020-6-16)

認証されたオーガニックコットン製品の見分け方

「認証を受けたオーガニックコットン製品」には、有機JASと同様に「認証マーク」が付与されています。

以下に、代表的なオーガニックコットン製品の認証マークをご紹介しますので、オーガニックコットンの製品を探す時に参考にしてみてください。

日本オーガニックコットン流通機構(NOC)

  • オーガニックコットンと一般の綿の混用は不可。(原綿は100%オーガニックコットン)
  • 化学合成繊維を使用しない。(機能上必要な場合は15%程度まで)
  • 他の天然繊維(ウールやシルクなど)を使用する場合は有機認証されたもののみ使用可。(ただし40%まで)
  • 漂白剤や浸透剤などの加工剤などは原則使用しない。
  • オーガニックコットン以外の素材を使用する時は、製品全体の10%まで使用可。
  • ボタン、ファスナーなどの付属材料も、できる限り天然素材を使用する。
  • 縫糸も出来るだけオーガニックコットンを使う。
  • 中綿はオーガニックコットンのみ使用できる。
  • プリントのある製品は出来るだけ安全性の高い、または確認されたインクのみ使用可。
  • 洗浄には化学合成された洗剤は使用しない。

など

その他、自然環境や人間の健康にも配慮した基準に重点を置いた「NOCグリーン」や、日本国内で生産された原綿や素材を、海外で基準に則って製品化された商品に付けられる「NOCブルー」のマークもあります。

画像元:https://noc-cotton.org/certification-standard

NPO法人 日本オーガニックコットン協会(JOCA)

認証基準については、上記の「GOTS」の基本的な認定基準を参考にしてください。(クリックで移動)

このGOTS等の第三者認証機関に有機認証されたオーガニック製品に、JOCA会員タグが付けられます。

画像元:http://joca.gr.jp/main/agreement-joca-tag/

また、GOTS認証そのものの認証ラベルは以下の通り2つに区分されています。

GOTS Orgainc

  • 95%以上がオーガニック認証された繊維(または転換期間中)でなければならない。残りの5%以内に非オーガニックの材料や原料を使用可。「Organic〇〇」と表記が出来る。

GOTS Made with ○% organic

  • 70%以上がオーガニック認証繊維(転換期間中可)でなければならない。残りの30%は非オーガニックの材料や原料を使用できるが、ただし、合成繊維は10%までとする。

画像元:https://global-standard.org/licensing-and-labelling/how-to-get-products-labelled.html

Organic Exchange

OE 100(上のラベル)…100%オーガニック繊維で作られた製品でなければならない。他の繊維との混用は禁止。トレーサビリティ(流通の過程を遡ぼる事)を可能にしておかなければならない。(転換期間中の表示も出来る)

OE Blended(下のラベル)…オーガニックコットンの混用率が5%以上でなければならない。普通綿や他の繊維との混用もできる。

※OE100とOE blendedのオーガニック繊維の混用率の差が少し気になるところですね。ラベルもよく似ているので、もし見かけたら少し気をつけた方が良いかもしれません。

画像元:http://www.ecolabelindex.com/ecolabel/oe-100-blended

日本国内の綿花生産とオーガニックコットン製品

日本で綿花栽培をすることは気候などの条件から他の国に比べて大変ですが、日本でもオーガニックコットンを栽培しようと、とても熱心に頑張っておられる綿花農家さんがいらっしゃいます。

ただでさえ大変な綿花の生産、ましてやオーガニックコットンを栽培されている農家さんが日本国内にも思った以上にいることに、正直驚いてしまいました。

その中には、ご自分たちで栽培した綿を使った製品を作られている農家さんもいらっしゃいます。

オーガニックコットンに限らず、オーガニック商品全般に当てはまる事ですが、あくまで「認証マーク」は任意取得ですので、「認証マーク」も消費選択の一つの材料にはなりますが、「認証基準と同等の」もしくは「それ以上」のものを作っている生産者の方や製造者の方も多くいる、ということを覚えておくべきかもしれません。

これらの各認証団体の基準は参考にしつつも自分が応援したいと思う生産者や製造者に、「投票する」という感覚も消費決定の際には大切にしたいですね。

オーガニックコットン製品のメリットとは?

メリット、というと目に見えた効果や優れた点があるように聞こえますが、有機JAS対象である有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料、またオーガニックコスメ等にも当てはまるように、オーガニックコットンが私達に完璧な「安心・安全」を保証してくれるといったものではない、という事は念頭に置いておく事が大切です。

上にご紹介したような基準の中にもあるように、オーガニックコットンは、不当に労働させられている世界の綿花農家の人々、地球の自然環境、そして人々の健康を考えられて作られるものであり、そこに大きなメリットがあると私は認識しています。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回の記事に関してご質問がある方は、お気軽にお問合せくださいね。

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