HACCP(ハサップ)とは?目的やメリット、疑問点を簡単に分かりやすく解説!

 

こんにちは!オーガニックコーディネーターオリカです。

6月7日に成立した食品衛生法の改正で、今までは任意の取組みだったHACCP(ハサップ)が、全ての食品事業者に義務付けられるようになりました規模に関係なく、食品メーカーも飲食店も、食事を提供しているホテルや旅館などの宿泊施設も、全ての食品事業者が対象となります。現在は猶予期間で、完全施行は東京オリンピックの2020年6月が予定されています。

今回は、HACCPの導入についてその具体的な内容目的メリットや考えられる疑問点をできるだけ簡単にして分かりやすくまとめました。

(※この記事は2018年6月30日に作成されたものです。)
2018年11月18日に一部再編集しました。)

HACCP(ハサップ)の概要

HACCP(ハサップ)は、簡単に説明すると「食品を製造する過程で発生する食中毒の原因となる病原菌やウイルス(危険因子)を特定しやすくする仕組み」のことです。

例えば食品を製造する時には、仕入→加工→加熱→保存・保管→包装など、多くの工程を経て消費者の口に入りますが、もし食中毒が発生した場合、具体的にどの工程に問題があってなぜ食中毒が発生したのか、今までは原因がイマイチ分からないままになっていたケースが以外と多くありました

それは、一つひとつの工程の中ではなく、全工程を終え完成した食品を、最終段階になってやっと品質チェックしていたところによるものと思われます。

しかし、このHACCPが導入され、仕入から包装まで、一つひとつの工程の中で厳しく管理・記録をして安全性を確保することにより、最終的に完成した食品の安全性も高められることになります。そして、食中毒が発生した時に、全工程を最初から辿っていき、どの工程に問題があったのかを、記録を見ながら明確な原因を突き止めることが出来るようになるのです。(これをトレーサビリティと言います)

分かりやすく図にしてみました。

何をすればいいの?

これは、冒頭に述べたとおり、規模に関係なく、食品メーカーも飲食店も、食事提供のあるホテルや旅館など、全ての食品事業者が対象になります。

しかし、強制的に導入と言われても、実際には具体的に何をしたらよいのか分かりませんよね。

一言で言うと、対象食品事業者がしなければならないのは、食品製造工程の管理と記録」です。

もう少し具体的に言うと、一つひとつの工程において安全を左右する重要な作業(重要管理点)は、あらかじめ定めておいた基準に従って行います

例えば、飲食店において、「保存・保管」の工程で重要な作業の一つは、「菌を繁殖させない温度管理」です。この場合、一度調理して熱を加えたものを冷ます時に、菌やウイルスが繁殖しやすいと言われる10度~60度の間の時間をいかに短くしてできるだけ早く冷却するか、ここが「保存・保管」の工程での作業の重要なポイント(重要管理点)になります。

上図のような煮込み料理は、調理後の温度管理が難しいです。特に夏場はどんどん菌が繁殖しますから、できるだけ急速に冷却して菌を増やさないことが重要です。

さらにもう一つ例を挙げます。

上記のような生魚は「仕入」の工程であれば、「出来るだけ早急に冷蔵庫などに入れ適正な温度で管理し、調理後出来るだけ早く消費者に提供する」というのが作業の重要なポイント(重要管理点)になります。

そしてさらにそれらの工程ごとの重要な作業を記録に残します。何時間で何度まで温度が下がったのか、作業をした人の健康状態、消毒や汚染防止、冷却装置の温度や状態など細かい確認項目があり、その作業状況を記録しておきます。さらにそれを元に見直しや改善をしていくのです。

では「その基準はどうやって決めるの」か?

その点に関しては、小さな事業者にはそれぞれの工程における重要ポイントが示されたガイドラインを参考にしてもらうことになります。

また、「記録や管理なんて難しそう」という事業者の方向けに、地域によっては直轄の保健所で以下の「計画・記録ノート」を250円くらいで販売しているところもあるので、直轄の保健所に問い合わせてみてくださいね。

計画・記録簿の記入例:

※公益社団法人日本食品衛生協会より転載しました。

ちなみに、この冊子1冊で1年間分の記録がつけられるようになっているそうで、の冊子を毎日きちんとつけていれば、保健所からの指導はまずクリア出来るように作られている、との事です

記録簿の保存期間ですが、1年間は保存しておくほうがよいでしょう。

実際に、食品衛生協会の理事の方のお話をきいたところ、「最初は何をすればいいのか、分からずに抵抗のある食品事業者さんも多いかと思いますが、慣れて習慣にしてしまえば全く難しいことではありません」とおっしゃっていました。

ますます求められる食の安全

現在までに、日本でHACCPを導入している食品事業者は全体の3割にとどまっているそうです。

しかし毎年、食中毒で亡くなる人は全国で確実におり、近年は、保健所より食中毒特別警戒注意報が発令されている状況が続いています。

しかし世界的に見てHACCPは多くの国ですでに周知の取組みで、懸命に消費者の食の安全の確保に努めています。日本も、来たる2020年の東京五輪に向け、世界へ向けて日本の食に対するの安心・安全に対する姿勢を示そうとしているのでしょう。

HACCPは、消費者に出来るだけ安心・安全が確保された食を届けるという点においてはオーガニックと目指すところが似ていると思い、取り上げてみました。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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