こんにちは!オリカです。
「自分の店で作っている商品で有機JASを取得したい!」
しかし、何から始めたらよいのか、具体的にどういう手順を踏むのか、費用はどれくらいかかるのか、いざとなると疑問もたくさん。
今回は、それらの疑問をイチから解消していきたいと思います。興味のある項目からどうぞ!
目次 ※お好きなところからどうぞ
はじめに
まず、自営業で加工食品を扱う皆さんは、その食品の「製造者」となっていますよね。
加工食品の製造者である皆さんが有機JASの食品を扱うことになると、「有機加工食品の生産行程管理者」として認定を受ける必要があります。
認定の基準について
有機加工食品の認定基準の要点としては、以下の項目が挙げられます。
- 全原材料のうち、水、食塩、加工助剤を除いた95%以上は有機農産物・有機加工食品・有機畜産物を使用する。
- 全原材料のうち、非有機のものは5%以下にしなければならない。使用が許可されている食品添加物を含む。(使用が許可されている食品添加物に関しては、お気軽にお問合せください。または、農林水産省のHPに公開しています。)
- 原則、化学合成された食品添加物や薬剤(例えば工場や工房でゴキブリや鼠などの駆除の目的で使用される化学的に合成された駆除剤など)の使用はしない。
- 遺伝子組換え技術を使用して生産された原材料の使用不可。
- 放射線照射された原材料の使用不可。
- 製造から流通までの全行程において使用禁止資材の汚染がないこと。
- 有機の原材料と非有機の原材料を混在させてはならない。(例えば有機じゃがいもと非有機じゃがいもが混在したポテトチップスなど。たとえ非有機のじゃがいもが5%以下だったとしても不可)
認定までの具体的な手順
①講習を受ける
まず最寄りの登録認定機関にて講習会を受けなければなりません。農林水産省のホームページから、一番近い登録認定機関を見つけましょう。
②書類の作成・提出
「登録認定機関」より書類の様式を入手してください。認定にかかる費用や認定の維持費は登録認定機関によって若干異なります。(費用については後述)
③審査
登録認定機関によって指名された検査員が提出された書類の内容を見て、有機加工食品の基準に適合しているかをチェックします。
審査の中で検査員より質問を受けたり、指導を受けたりする場合がありますので、都度対応ができるようにしておきましょう。
④現地での審査
書類審査が終わると、実際に検査員が食品を生産している現場(工場や工房など)に赴き、実地検査を行い、書類に記載されている内容通りの生産を行っているかをチェックします。審査の途中で質問をされたり、事実に即していなければ、都度指導を受けたりします。
⑤判定
登録認定機関にて書類の内容と実地審査の結果から最終判定を行います。
合否に関わらず事業者(申請者)に通知され、不合格の場合はその理由も一緒に送られてきます。
⑥認定証の交付
判定で合格した場合、晴れて有機加工食品の生産行程管理者として認定され、有機JASマークが交付されます。
有機JASマーク
また、有機JASマークを商品に貼付するにあたって「格付け」といい、その商品が有機加工食品の基準に適合したものかどうかを内部で確認・記録する作業をしなければなりません。マークの貼付も含め、それらの作業は「格付責任者」が行います。格付責任者も生産行程管理者と同様に講習を修了しなければなりません。小さい事業所の場合は「生産行程管理者」と「格付責任者」は兼任できる場合がありますが、この点に関して詳しいことは最寄りの登録認定機関に確認してください。
費用について
気になるのが費用の問題。どれくらい費用がかかるのでしょうか。
冒頭にも申し上げたとおり、認定にかかる費用は登録認定機関によって異なります。以下はあくまで目安ですが、概算の一例をご紹介いたします。
有機加工食品における有機JAS認定手数料(目安/検査員が1人の場合)
料金 | |
---|---|
認定申請料 | 5,000円 |
検査料・判定料 | 50,000円~150,000円(工場・工房の面積による) |
検査員の交通費 | 3,000円 |
調査手数料 | 5,000円 |
講習会手数料 | 6,500円(資料代込) |
その他 | 10,000円 |
合計 | 124,500円~224,500円 |
さらに、検査に2日以上要した場合の追加費用、検査員が複数人いる場合の費用、検査員が宿泊した場合の宿泊費、臨時調査や再検査の検査費、書類の交付に関わる事務通信費なども含めると、さらにここから加算されると思われます。
最後に
有機JASはご存知のとおり任意の規格ですが、もし有機JASマークが貼付されていない商品に「オーガニック」や「有機」の表示をすると、場合によっては「優良誤認」として法律で罰せられることがあるので注意が必要です。
参考:農林水産省ホームページ
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回の記事に関してご質問がある方は、お気軽にお問合せくださいね。