国産のオーガニックコスメがこれほど人気の理由。「国産」という呪文について

 

こんにちは!オーガニックコーディネーターオリカです。

皆さんは、オーガニックコスメを選ぶ時に何を基準にしていますか?

価格、成分、ブランド、使用感、有機認証マークの有無など、オーガニックコスメを選ぶ基準は人それぞれだと思いますが、現在はオーガニックコスメのブランドもコスメの種類も、昔に比べると急速に増え、何を基準に選べばいいのか分からないという方もとても多くなっているはずです。

そして最近、そのような状況の中、そのコスメが「国産であるか否か」が、オーガニックコスメを選ぶ際に非常に大きな基準になっているという現象が、日本全国で見受けられます。

しかしながら、オーガニックの専門家を自称している私がオーガニックコスメを選ぶ基準に優先順位を付けて挙げるとするならば、「国産かどうか」という基準はだいぶ下の方に位置付けるでしょう。

その理由については後半に述べていますが、今回は、日本人がオーガニックコスメを選ぶ時に「国産」にここまでこだわる理由を考察してみます。

漠然とした安心・安全のイメージ

日本では、特に農産物や畜産物に対して「国産」が最良であるという意識が非常に強く根付いていることはお気付きの通りかと思います。

昨今、輸入食品の食中毒関連ニュースが次々と大きく取り沙汰され、「外国産=危険」というイメージに伴い、相対的に「国産=安心・安全が保障されている」という漠然としたイメージが日本全土に存在し、それが化粧品、とりわけオーガニックコスメにも明らかに反映されています。

オーガニックでない通常のコスメならば、国産の有名ブランドが日本国内では幅を利かせているところですが、オーガニックコスメというのは海外から輸入されてきたものの方が多くあります

これは、オーガニックコスメの認証団体が圧倒的に海外(特にヨーロッパ)の方が多く、オーガニックコスメそのものが日本よりも海外で多く生産されているからに他なりません。

日本では、農産物や畜産物、加工食品に関しては農林水産省管轄の有機JASというオーガニック基準がありますが、コスメに関しては、有機JASのように基準が定められておらず、オーガニックコスメとなると、きちんとオーガニックコスメの認証のシステムが整備されている海外からの輸入にかなり頼っている部分が大きいのです。

しかしながら、もともと農産物や畜産物において「国産」のほうがベターであるという漠然としたイメージを抱いている日本の消費者は、コスメにおいても「国産」と箔の付いたものを選ぶ傾向にあるのではないでしょうか。

「日本人の肌質は特殊である」という意識の表れ

よく、国産を謳っているコスメに多いのが、「日本人の肌に合わせた」といったものや「日本人の肌を研究して作られた」といったもの。

私は「化学としての化粧品」の専門家ではありませんので、人種等の肌質の違いによる化粧品の影響の有無については明るくありませんが、メーカーがこれらの文言を商品に付すことにより、消費者である私たちは「日本人の肌というのは、他の国の人の肌質と違って特異なんだ」という意識を駆り立てられている節はないでしょうか。

私も人種別の肌質の違いについては気になっていたので、少しだけ色々と調べてみたのですが、予想通り人種による肌質の違いは色素以外にも色々とありそうな印象を受けました。

「鶏が先か、卵が先か」ではありませんが、もともと日本人の中に「日本人(の肌)は特殊である」という意識があったのか、それとも、化粧品メーカーによって「日本人の肌は特殊である」と刷り込まれているのか、いずれにせよ、「日本人の肌はもともと特殊な肌質だから、国産のオーガニックコスメが一番肌に合うはず!」という意識は、少なからずあるでしょう。

オーガニックコスメを選ぶにおいて「国産かどうか」を基準にするのは、おすすめする理由としては少し弱い

個人的には、「国産」のオーガニックコスメを買うことに対しては特に何も問題に感じる事はありません。

しかしながら冒頭にも申し上げた通り、自分がオーガニックコスメを選ぶ基準に優先順位を付けるとするならば、「国産かどうか」には低い順位をつけることでしょう

オーガニックでなくても”オーガニックコスメ”と表示ができる

このブログの他の記事で何度も申し上げていますが、日本に流通している「オーガニックコスメ」と呼ばれるものは、特に何の基準も罰則もなく、化粧品メーカーの任意でいくらでも「オーガニックコスメ」だと言う事ができます

何が言いたいのかというと、極端に言えば、その化粧品にオーガニックの要素がほとんどあるいは全くなくても、「オーガニックコスメ」という表示が出来てしまう、という事です。

詐欺じゃないか!」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の法律上は何の問題もないことなので、お咎めもなしです。

(一応付け加えておくと、日本には「景品表示法」という法律があり、その法律が消費者に誤解を与えるような表示(優良誤認表示)に規制をかけており、「オーガニックコスメ」と表示することによって景品表示法に触れてしまうようなことがあれば、当然、法の裁きを受けます。)

「国産か否か」をオーガニックコスメを選ぶ際の基準として上位に位置づけることに抵抗があるのには、こういった制度上の事情が1つの要因としてあるのです。

「日本人の肌質に合わせた」に対する違和感

さて、化粧品メーカーの「日本人の肌に合った日本人のためのコスメ!」といった謳い文句が、「日本人の肌は特殊だから日本人用の国産コスメが良い」というイメージを消費者に刷り込ませているのではないか、というのは先述した通りですが、私はこれに少し違和感を覚えます。

その違和感の正体ですが、「人種間」や「住む国」の違いが、「個人間」の差異よりも優先されている事、に他なりません。

日本人と外国人の肌質の違いよりも、同じ日本人の中でも個人間での肌質の違いの方によっぽどフォーカスするべきなのではないか、と感じています。

当然、人種による肌質の違いの研究が大変重要な役割を担っていることは言うまでもありません。

しかしながら、同じ日本人でも、オイリー肌、乾燥肌、皮膚が厚い、薄い、アレルギー、アトピー、過敏症、毛穴の大きさ、汗腺の状態、皮膚が成分を吸収する力等々、個人間の肌質には大変多くのバリエーションがあります

それを考えた時に、日本人による日本人のための日本人のコスメ」をセールスポイントにして「国産」に箔を付けることではなく、人間の肌に関するプロやコスメの専門家が、その”個人”によく合う化粧品について「知識を与えてあげる」ことの方が重要なのではないかと思います。

「あなたはこういう肌だから、こういう成分の入ったコスメを避けて探してみてくださいね」というアドバイスをしてもらえば、次に自分が化粧品を選ぶ時の参考になりますよね。

化粧品は、化学物質だろうと自然由来の原料だろうと、いろんなモノが複合的に混ざり合って作られているものなので、一概に「これはこの成分が入っているから日本人の肌に良くて、この原料が入ってないから安心」とは言えず、身体がどんな成分にどう反応するかというのは、個人によって差異があるはずです。

「国産」というものが「日本人に合わせられた」という意味を内包している可能性がある、という点からも、オーガニックコスメを選ぶ時の基準としての弱さを感じました。

「国産」という魔法の言葉

日本人がオーガニックコスメを選ぶ時に「国産」にこだわる理由

  • 外国産=危険」というイメージに伴い、相対的に「国産=安心・安全が保障されている」という漠然としたイメージがある
  • 日本人の肌質は特殊だから、オーガニックコスメも国産のものが一番良い」という意識の表れ

私がオーガニックコスメを選ぶ際に「国産か否か」をそれほど重要視しない理由

  • 日本にオーガニックコスメに関する法律がなく、メーカーの任意で「オーガニックコスメ」と表示出来るので、オーガニックの原材料がほとんどまたは全く入っていなくても、「オーガニックコスメ」と書いてあるだけのコスメが流通している。
  • もっと個人間の肌質に合わせたアプローチをすべきところを、「国産」というものが「日本人の肌に合わせて作った」という意味を含んでいることから、「国産」表示に対する違和感を感じてしまう

日本全国がかかっている「国産」という呪文の持つ魔力の強さは、非常に興味深いと感じます。

私達は恐らく、日本という国がなくなったとしても、「国産」という呪文に惹かれ続けるのではないでしょうか。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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